美容室またはセルフカラーで頭皮がしみたりかゆくなったりしたことがある人も少なくはないはず。
それがまれにアナフィラキシーショックを引き起こし、顔がパンパンに膨れ上がってしまうこともあります。
場合によってはヘアカラーをやめたほうが良かったり、マニキュアやヘナに変更したほうがいいということもあるので、記事にしてみます。
普段行っているヘアカラーの危険性を認知されていない方向けに、カラー剤によるアレルギー『ジアミンかぶれ』についてのお話です。
ヘアカラーのアレルギーと原因について
ヘアカラーを施術をしたときに薬剤が頭皮についてしみたことがある方は間違いなくたくさんいると思います。が、これは揮発性の高いアルカリ(アンモニア)が頭皮に付着することによって引き起こす作用なので、アレルギーとは違います。
ヘアカラーによるアレルギーはあなたが思う通常のカラー剤(美容師さんが普段使うもの)に含まれる《ジアミン》が原因となっています。
代表的なジアミンはパラフェニレンジアミンで、その他にもさまざまなジアミンの化合物が含まれていますが、おおよそのアレルギーはひとくくりにして《ジアミンかぶれ》と呼んでいます。

ジアミンかぶれの症状
カラー剤によるアレルギーのジアミンかぶれは『当日〜翌日に赤みや発疹を伴うかゆみ』が症状としてでてきます。
なのでカラー剤が頭皮についているときにヒリヒリすることとは異なります。
アレルギーがひどくなってしまうとハチに刺されてしまったときのようなアナフィラキシーショックを引き起こし、頭や顔がパンパンに膨れ上がってしまうことも。
命に関わることではないですが仕事に差し支えたり、その容貌から外出することが怖くなってしまうことも。
症状の重度には個人差があり、かゆみを全く感じない人もいれば、初めてのアレルギー症状でパンパンになってしまう人もいるかもしれません。
カラー剤によるアレルギーが出やすい人はどんな人?

これは一般的なアレルギーと一緒で出やすいかどうかは判断しにくいです。
よく例えられるのは花粉症でも同じように『バケツに水を注いでいって溢れたときにアレルギーが出る』ということ。アレルギーの許容量を超えると症状として発症すると言い換えられます。
だいたいの人で『150〜200回くらいヘアカラーをするとアレルギーは発症する』と言われています。
年間5回ほど染める人であれば30年くらい、回数が多く毎月染めるような人は約10年ちょっと続けるとジアミンに反応するようになってしまいます。
だれでも一定量は許容できてもそれが微量なのか生涯許容できるのかは個人差によるので明確な答えはありません。
アレルギーの対処法
アレルギーの対処法はたった一つ『皮膚科にいくこと』です。
担当してくれた美容師さんに相談をしても医療機関での診断をおすすめされるでしょう。もしもさらっと「大丈夫ですよ〜」と言われたらその担当さんは軽く考えすぎているかもしれません。
医療機関でカラーをした後にかゆみが出たことを伝えるとおそらく《カラー剤によるアレルギー》と診断されることになると思います。
美容室は医療行為ができないので相談には乗れても治療のお話はできません。まずは通いつけのお医者さんか皮膚科に診断をしてもらってから今後のことを担当美容師さんに相談しましょう。

アレルギーがであとのカラーについて
残念ながら改善することはないのでまたカラーをした場合、ひどくなっていくことはあっても良くなることはありません。髪を染めて続けることを控えるようにしましょう。
とは言え、白髪が増えてきたりすると染めないわけにもいきません。
どうしても染めたいという方は以下の方法を考えていただければ。
アレルギーがでないカラーをする
前出のヘアカラーはアルカリ剤を使用したものでジアミンが含まれたものでした。
これから紹介するものはジアミンが含まれない髪の染め方になるので、アレルギーが出てしまっている方は参考にしてください。
- ヘアマニキュア
- ヘナ
- 脱色+マニキュアorカラートリートメント
▼詳細は以下
ヘアマニキュア(酸性染料)
- メリット
-
- 髪と同じ酸性領域の薬剤なので髪の毛に対し負担をかけるものではない
- 発色がよくいろいろな色をブレンドして使うことができる
- デメリット
-
- マニキュアを塗る人が減ってきていることもあり、きれいに根元ギリギリから染めてもらえることは少ない(頭皮に色が付着する)
- 明るくする力はないので白髪が多ければ発色はわかりやすいが、黒髪の人に対しては雰囲気ほどの効果しか得られない
- 色落ちしやすく濡れた状態だと衣類や枕等に色移りをしてしまう
ヘナ(植物性染料)
- メリット
-
- アルカリが含まれていないので髪を傷めることがない
- マニキュアよりもしっかりと染まり、ほとんど褪色しないので数ヶ月たっても既染部の白髪が目立たない
- 髪の毛にハリコシが出るのでボリュームのない人はふわっとしやすい
- デメリット
-
- 明るくトーンアップをすることができない
- 選べる色数が少ない(純粋なヘナだと赤・オレンジ・インディゴなど限られた色味しかない)
- 植物性のアレルギーがある場合は植物かぶれがでてしまうこともある
- 草っぽい匂いがしばらく残る
- 丁寧にしっかりと塗らないといけなく、放置時間もたくさん必要になるため、時間・金銭面的にコストがかかることも
- 一度染めるとカラーチェンジがほぼ不可能
脱色+マニキュアorカラートリートメント
- メリット
-
- 脱色効果で髪の毛を明るくすることができる
- ブリーチまたはライトナーやクリアで明るさが調整できる
- ベースが明るいのでいろんなおしゃれな色を楽しむことが可能
- デメリット
-
- 明るさによっては伸びてきたところのプリンが気になりやすい
- 脱色したあとのカラーなので色の抜けが早い
- 通常のカラーよりもアルカリ度が高く、のちのダメージが出やすいので十分なケアが必要
カラートリートメントでアレルギー症状はでるのでしょうか?

カラートリートメントでもアレルギーってありますか?
このようなご質問をいただいたこともございます。
アレルギーを心配される方であれば当然このような疑問も浮かぶでしょう。
答えは「ほぼない(99%)」です.
カラートリートメントの成分でカラーアレルギーの出るようなものは基本的に入っておらず、もしもアレルギーがあるとすれば保存料や安定剤などの添加剤の方になるのかなと思います。
そういった場合は他のシャンプーやトリートメントを使っていても出てしまうので、今までそういったことがなかった方には心配は少ないかなと思います。
ヘアカラーのアレルギーについてのまとめ


前述していますが、ヘアカラーによるジアミンかぶれはヘアカラーを続けている限りほぼすべての人がでてしまいます。
現在なにも症状を感じていない方は発症していないか、発症していても自覚するレベルのアレルギーではないということも。
ヘアカラーが絶対に安全で大丈夫ですと言えるものではない以上、その危険性と対処法を知識として身につけていただけたらと思います。
美容師さんによってはアレルギーとヒリヒリを同じにとらえ、丁寧な説明を省いてしまうこともあるかもしれません。
- 地肌につけないから大丈夫
- 短時間しか塗布しないから大丈夫
- 今まででていないなら大丈夫
このようにフワッと言ってしまう美容師さんは少なからずいます。信頼がおけるか美容師さんかどうかはご自身でご判断ください。
できれば健全にヘアカラーをお楽しみいただきたいので不安がある方は、以下のボタンから公式LINEの友だち追加をして、お気軽に相談をしていただければと思います。
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